第六百八十六話 ネタちを起こすな

　おい、起きてるか？　おはよう。……ん？　あ、ああ、おはよう。なんだい？　

朝っぱらから。なんだいって、ちょっと話さないか？　話？　ん、ああ、いいよ。

なんの話だ？　ああ、俺たちの話だよ。俺たちの？　おお、なんだい……朝

から、お前ら。おお、君も起きたのか。

　そうだな、この際、みんな起こした方がいいかも知れないな……おおい！　

おおーい、みんなぁ、起きろ！　目を覚ませ！　なんだい？　なんだよ。な

になに、どうかした？　何かあったの？　どしたっ？　おはよー。オハヨ。お

はようさん、おはようごじゃりますぅ。

　みんな聞いてくれ。そして何かあったら意見を聞かせてくれ。あのな、今日

で六百八十六になったんだよ。何が？　何がって、このブログの物語数さ。

そうなの？　そうだ。それがどうした。六百八十六って……また中途半端な数

字やなぁ。何だ、中途半端って。だって、キリ番とか、ゾロ目とか、あるじゃな

い、キリのいいっていうか、記念すべき数字ってものが。なんだよ、それじゃ

ぁ六百八十六番はキリが悪くって中途半端で、何の記念にもならないってい

うのか？　それは失礼なんじゃないか？　ああ、すまん、そんなつもりで言っ

たわけじゃぁ……。

　まぁ、ともかくだなぁ、俺たちって、なんかバラバラだと思わないか？　バラ

バラ？　そう。内容も、長さも、テーマも、モチーフも、みんなバラバラ。そうか

なぁ？　おいっ！　オレたちはバラバラじゃぁねえぞ！　あ、ああ、君らは幸

運だね。君らはたまたまだか何だか知らないが、シリーズっぽく書かれてる

もんな。おお、妖怪の！　うんうん。まぁ、そういうことはまだ許せる。作者だ

って、いろんなことが書きたいんだろうし、シリーズであろうとなかろうと、毎

日書いてるみただからな。そんなことよりだな、俺が問題を感じているのは、

中身の質のことなんだ。質？　そう、質。クオリティ。みんな周りを見回して

みな。隣の奴と自分を見比べてみ。どうだ？　自分はこれで満足だってい

える奴がどのくらいいる？　どうだ？　お前は満足か？お前は？お前はど

うだ？　お前なんてひどいな、誤字だらけじゃないか。……そ、それは……

最近、作者の方がちょいちょい戻ってきては、僕らの中身を見直して、誤字

とか直してくれてるみたいだよ。そうか。まぁ、それはありがたいわな。しか

し、俺が言ってるのはそういうレベルのことではないんだよ。誤字脱字は、

あとからでもそうやって直せば済むことだ。問題になるのは、中身の濃さっ

ていうか、充実度の問題だ。後から読み返してみて、やっぱりよくできてる

なぁ、面白いなぁと、読者に思ってもらえるものが、どのくらいいる？　どう

だ？　みんな客観的に自分のことは読めないか？　そうだな、そうかも知

れないな。まぁ、そこそこのレベルなら許してやってもいい。そうなれば半

分……いや、それは厳しすぎるか……六割、七割はまぁ、及第点だとして

もだな、残りの三割、四割はどうだ？　みんあ、自分がどっちだと思ってい

る？　あとでゆっくり考えてみ、鏡を見ながら。

　作者の奴、毎日書いていると、どうも息切れっていうか、ネタ切れしちゃっ

たりするようだ。あと、体調が悪いのか時間がないからか知らないけれど、

実に適当に、お座なりに書かれている話がいくつかあるように、俺には思

えるが。どうだ？思い当たる奴はいないか？　この野郎は今までだって文

を書いて来た奴なんだろ？　これからだってそうしたいと思っている奴なん

だろ？　それなのに、この体たらくでいいのか？　俺は断固、抗議したい。

もっと考えろ！　もっとしっかり書け！　もっと真面目にやれ！　なるほど、

ほんとうに、その通りだ。作者はもっと俺たち作品のことを考えてくれなきゃ

な。糞みたいにへりだされておっぽりだされた日にゃ、俺たちゃ何のために

生まれて来たんだかわからなくなるってもんだわな。

　ほんとうだ！　その通りだ！　そうだ、そうだ！　みんなもっと声を出せ！　

気持ちを表現しろ！　張り上げろ！

　作者はぁ、もっとぉ、真面目にぃ、やれー！　作者はぁ、もっとぉ、考えて

書けぇえ！　真面目にぃ、書け～！　真面目にぃやれーっ！　真面目にぃ

ぃ！　真面目にぃ！

　たいへんだ……だましだまし書いてきたが……遂に手抜きがバレてしまった

ようだ。作品たちが、ボイコットを起こそうとしてる。だ、だれか、読者のみなさ

ん、た、助けて！

                                                       了

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そうしたことで作品たちは自己満足しておとなしくなりそうです。何卒、何卒・・・・・・m(_ 作者_)m