第千十話_short 仕事 [超短編]
※長らく応援いただきました「千一話物語」は、
装い新たに「千一話物語_short」 http://senichiwa-r.blog.so-net.ne.jp/ (ココをクリック!)へ引っ越しいたしました。
お手数ですが、ブックマークをし直して、これからもご愛読くださいませ。よろしくお願いします。
※下記、新サイトと同じものを転載しています。
第千十話_short 仕事
「もう、こんな仕事は嫌だ!」
たけしが言うと、一緒に仕事をしていた父親がたけしを睨めつけて言った。
「お前は嫌だ嫌だって文句を言うばかり。そんなんでは父ちゃんみたいになれないぞ」
「ぼく、父ちゃんみたいな大人にはなりたくない!」
「なんだ? なんてことを言うんだ! 謝れ!」
「嫌だ、本当のことだもん、謝らない!」
父親は頭を抱え込んだ。なんでこんな子になったんだろう。俺が子供の頃には喜んで父親の仕事を手伝ったのに。
「父ちゃん! 誰か帰って来た!」
「なにやってんだ! お前が四の五の言ってるから!」
「ああっ! もうそこに!」
「は、早く逃げろ! つかまっちまう!」
ふたりは入ってきた窓から急いで他人の部屋を出た。
了
Facebook コメント
感想 0