第四百二十四話 不幸せの黄色いハンカチ? [可笑譚]
「ああ、やはり戻ろう。」
「あれ、健さんどうしちゃったの?大丈夫だよ、行こうよ。」
「・・・でも、今頃私が顔を出しても・・・。」
「大丈夫だって!必ずハンカチ、出てるさ!」
「そうだと・・・いいんだが・・・。」
健さんを乗せた車が砂利道で停車すると、その先には健さんにとっては懐か
しいような、辛いような、短い期間だったが彼女と生活を共にしたあの古びた一
軒家があるはずだった。健さんとその仲間は、ここで車を降りて、ゆっくりと歩い
て次の角を曲がった。すると・・・古びた一軒家は確かにあった。そして、約束の
黄色いハンカチは・・・なかった。
そのかわりに黄色いものが数枚干してある。昔から腸カタル気味のあいつは、
今でもいつでもお腹をこわしているらしい。洗濯しても取れないほど黄色く変色し
たパンツがそれを物語っていた。あれは・・・確かに黄色いが・・・ハンカチでは・・・
ない。
了
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